メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

キリシタン大名

高山右近生涯に国内外関心 大阪で式典へ

大阪府高槻市の城跡公園にある高山右近のブロンズ像=2016年4月17日午前6時1分、福島良典撮影

 【ローマ福島良典】江戸時代に国外追放されたキリシタン大名、高山右近(1552年ごろ〜1615年)をキリスト教カトリックの崇敬対象「福者」とたたえる式典が来年2月にも大阪で開かれる見通しだ。式典を控え、右近ゆかりの地では信徒による勉強会が開催され、イタリアでは足跡をたどるドキュメンタリー映画が製作された。地位や財産を捨て、信仰に殉じた右近の生涯への関心が内外で高まっている。

 安土桃山時代に右近が12年間、城主を務めた大阪府高槻市。カトリック高槻教会では信徒が今年4月から右近の生涯と信仰について学ぶ連続講座を開いている。講師は高槻市の岡本稔さん(70)と茨木市の中田和夫さん(74)。

 2人は「戦乱の世にあって右近は神の下の平等を説き、キリスト教を強く勧めつつも、信教の自由を認めた」(中田さん)、「富か信仰かを問われ、信仰を取ったことが右近のメッセージ」(岡本さん)と語る。

 右近は近年まで戦国武将としての側面が強調され、「キリシタン」としての生き様には光があまり当てられてこなかった。岡本さんは「1998年に高槻で右近時代のキリシタン墓地が発掘され、右近に対する見方が変わる節目になった」と指摘する。

 今年1月21日にバチカンが「福者」と認定したことを受け、高槻市も右近ゆかりの地を紹介するパンフレットを作製し、PRに乗り出した。同市立「しろあと歴史館」の中西裕樹事務長(43)は「福者となることでキリシタン右近の評価が高まり、戦国時代の高槻の様子が解明されるきっかけになるのではないか」と期待を寄せる。

 ドキュメンタリー映画「右近サムライ 剣の道、十字架の道」(イタリア語版43分、英語版37分)を製作したのはイタリア人女性監督のリア・ジョバナッツィ・ベルトラミさん(48)。カトリック信仰を死守する一方、茶道など日本の文化にも通じていた右近の姿が描かれている。DVD化されて、イタリア国内で9月1日発売の予定。

 映画には、長年、右近の「福者」認定運動を進め、今年2月29日に死去した溝部脩・高松名誉司教(享年80)も登場する。ベルトラミさんは「日本に興味を引かれる欧州の若者は多いが、美と本質を尊ぶ日本の心はあまり知られていない。日本人であることを捨てずにキリスト教を生きた右近を通じて、日本の心を伝えたい」と話している。

社会・家庭生活の模範

 前田万葉・大阪大司教の話 高山右近は「イエス・キリストこそ自分の主君」という生き様を貫いた。周りの人々のことを常に気にかけ、信徒の葬儀では自らひつぎをかついだ。信念・信仰の人だった。現代社会で社会・家庭生活を送る私たちにとっての模範だ。

 右近の列福に加え、来年は日本とバチカンの外交関係樹立75周年でもある。できるだけ早くフランシスコ・ローマ教皇(法王)に日本にお越しいただきたいとバチカンにお願いしている。

 【ことば】高山右近

 摂津国高山(現・大阪府豊能町)の生まれ。キリシタンとなった父の勧めで12歳の時に洗礼を受けた。21歳の頃に高槻城主となり、織田信長、豊臣秀吉に仕えた。バテレン追放令を出した秀吉に棄教を迫られるが拒否し、大名の地位を失った。小豆島、金沢などに移った後、江戸幕府のキリシタン禁教令で国外追放の身となり、フィリピン・マニラで熱病にかかり、死去した。茶道の千利休の高弟「利休七哲」の一人に数えられた。

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 橋爪功 「まんぷく」を朝ドラと知らず出演快諾 「泥臭く人間臭いドラマになれば」と
  2. 健康対策 米、メントールたばこ禁止方針
  3. 6さいからのニュース シャンシャンおやばなれへ
  4. 選抜高校野球 21世紀枠、推薦46校出そろう
  5. サウジ記者殺害 CIA「皇太子が殺害を指示」 米紙報道

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです