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所有者不明化 増える土地の相続未登記

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農山村の増える耕作放棄地。相続未登記で所有者が不明になるおそれがある=群馬県内で(記事とは関係ありません)
農山村の増える耕作放棄地。相続未登記で所有者が不明になるおそれがある=群馬県内で(記事とは関係ありません)

公共事業、空き家対策、農地集約化の妨げに

 土地の所有者が分からない「所有者不明化」が全国で広がっている実態が、民間のシンクタンク「東京財団」が自治体を対象にした調査で明らかになった。相続未登記、農地や山林の管理放棄などが増えていることが要因だ。過疎化、資産価値の低下、伝統的な地域社会の崩壊などが背景にある。土地の権利と管理の放棄や放置は、公共事業用地の取得、農地集約化、喫緊の課題の震災復興や空き家対策などへの大きな妨げになっている。同財団は「国土情報基盤」の整備など抜本的な土地政策の改革を提言している。事態を深刻に受け止めた国土交通省は、自治体向けの「所有者探索のガイドライン」を初めて策定。政府と弁護士会、司法書士会など関係団体が協力した取り組みを始めた。

 東京財団は2009年から「国土資源保全」研究プロジェクトとして計6冊の研究報告書を発表し、水源林や自衛隊基地など重要施設に近接する土地の不透明な売買実態、地籍調査の遅れによる「空洞化」などに警鐘を鳴らしてきた。今回の「土地の『所有者不明化』」は一連の研究を踏まえて、全国の1718市町村と東京都(23区)を対象にアンケートを行い「不明化」の状況を調査したもので、同財団の吉原祥子研究員が今年3月に発…

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