連載

鬼平を歩く

毎日新聞デジタルの「鬼平を歩く」ページです。最新のニュース、記事をまとめています。

連載一覧

鬼平を歩く

江戸・東京今昔/34 江戸の境界 目黒 田舎の門前にぎわう /東京

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
目黒不動(瀧泉寺)仁王門。深い木立は江戸時代の面影を残している
目黒不動(瀧泉寺)仁王門。深い木立は江戸時代の面影を残している

 散歩の達人ならぬ鉄人と呼ぶにふさわしい。江戸後期、徳川御三卿の清水家に仕えた村尾正靖(号は嘉陵)。非番の日の散歩が趣味だが、半端ではない。

 午前4時ごろに江戸城近くの自宅を出て桶川(埼玉県)まで歩き、そのままUターンして午後8時ごろに自宅に戻った。浅間山(長野、群馬県境)が見える所まで行きたかった、というのが理由。帰路の途中で馬に乗ったが、片道約40キロの距離。1819年10月、村尾60歳の時だった。

 村尾は数多くの遠距離散歩の記録を「江戸郊外道しるべ」に残している。ほぼすべて日帰りの行程。仕事が多忙だったことに加えて、幕臣(旗本、御家人)だった村尾は原則として外泊できなかったからだ。いざという時、すみやかに出動するのが幕臣の役目。そのため、江戸を離れる時も幕府に届け出なければならなかった。

この記事は有料記事です。

残り1135文字(全文1486文字)

あわせて読みたい

注目の特集