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社説

中国軍艦と尖閣 緊張高める行動やめよ

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 日中両国の緊張状態が続く東シナ海で、中国軍が一段と緊張を高める行動に出たことを憂慮する。

 中国海軍の艦船が沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行したことが確認され、日本政府が中国政府に抗議した。ほぼ同じ時間帯にロシアの軍艦3隻も尖閣周辺の接続水域を通った。ロシアは過去にも例があるが、中国の軍艦が尖閣の接続水域に入ったのは初めてだ。

 自国の沿岸から約22キロがその国の主権が及ぶ領海で、領海の外側に隣接する約22キロの範囲が接続水域だ。

 接続水域は基本的には公海で、外国の船舶が航行しても法的には問題はない。しかし、中国の政治的な意図を踏まえて考えると、今回の行動は見過ごせない。

 中国は尖閣の領有権を主張し、力で現状変更を図ろうとするような動きを重ねてきた。中国の海警局などの公船による尖閣周辺の接続水域への立ち入りや、領海侵入は常態化している。それでも、軍艦を接続水域に入れることはなかった。

 軍が前面に出れば、自衛隊もそれに対応して警戒監視を強め、互いにエスカレートし、軍事的衝突に発展しかねない。中国もそのことをわかっているはずだ。

 そのリスクを承知のうえで今回、中国が挑発的な行動をとった背景には、南シナ海の問題があると見られる。中国が南シナ海で人工島を埋め立て、軍事拠点化をはかっていることに、日米両国をはじめ国際社会は懸念を強めている。中国は、こうした動きに激しく反発している。

 南シナ海の問題では、フィリピンが領有権をめぐる中国の主張に問題があるとして、仲裁裁判所に訴え、近く判決が出る見通しだが、中国は受け入れない姿勢を示している。

 最近、東シナ海の公海上空では、中国軍の戦闘機による米軍偵察機への異常接近があったばかりだ。中国軍による相次ぐ挑発行為には、日米をけん制する狙いがあるのだろう。

 中国軍艦とロシア軍艦の間に連携があったのかどうかも気がかりだ。

 2014年秋、日中両政府は4項目の合意を結んで関係改善に向かったはずだった。

 この合意では、東シナ海の問題について「情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避する」ことが確認された。

 中国軍の行動は、情勢の悪化を自ら招くもので、合意に反する。これ以上の挑発行為は、中国の孤立化を深め、利益にならない。

 日中の軍事的な衝突回避を目指した危機管理メカニズムの構築は進んでいない。中谷元防衛相は先日、中国側に訪中の意向を伝えた。日中の防衛当局の対話を急ぎたい。

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