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井波律子・評 『老生』=賈平凹・著

 (中央公論新社・3996円)

目先の欲望に呑み込まれる空しさ

 著者の賈平凹(ヂャピンウア)(1953年生)は、ノーベル文学賞作家の莫言(モオイェン)と肩を並べる現代中国の代表的作家。一九七二年、文化大革命期に、西安の西北大学に入学、在学中から小説を書きはじめ、習練を重ねるが、賈平凹の名をいっきょに高からしめたのは、一九九三年に刊行された長編小説『廃都』である。『廃都』は、古都西安を舞台に、知識人階層の頽廃(たいはい)した日々を描いた作品であり、現代中国小説に稀(まれ)に見るセクシュアルな描写で話題を呼んだが、発禁処分を受け、長らく絶版状態がつづいた。これ以後も、賈平凹は数多くの作品を発表しつづけ、二〇一四年に刊行された長編小説『老生(ろうせい)』は、その最新作にあたる。

 『老生』は、『廃都』とは打って変わり、賈平凹の故郷をモデルにしたとおぼしい、陝西(せんせい)省の秦…

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