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論の周辺

在野の研究者という存在

 「在野」という言葉がどうも気になった。『在野学の冒険』(礫川(こいしかわ)全次編、批評社)を手に取ったのがきっかけだ。『広辞苑』を引くと、「在野」の意味は二つある。「官職に就かないで民間にいること」と「政党が政権を握らず、野党の立場にあること」だ。野に下る、下野するといった言い回しもある。

 政治的な意味はともかくとして、「在野の研究者」についてはニュアンスにもっと幅がありそうだ。国公立の大学や研究機関に属さない人すべてを指す場合もあれば、民間を含め一切の組織に属さず、生計の道とは別に学問に取り組む人を指す場合もあろう。さまざまな経歴の8人がそれぞれの関心と手法に基づき執筆している『在野学の冒険』も、決まった「在野」の定義を前提にしてはいない。

 自ら「在野史家」と称する礫川氏は、「在野研究者・本山桂川(けいせん)に学ぶ」という文章を書いている。その中で、「学問研究はあくまでも『趣味』」、「研究成果は公的な形で世に問う」など在野研究者の「模範的」なあり方をいくつか挙げている。特に「他の在野研究者に対しても、彼らがその研究成果を世に問うてゆけるよう、積極的な援助を惜しまない」という一項が目を引く。

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