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大竹文雄・評 『自由の思想史−市場とデモクラシーは擁護できるか』=猪木武徳・著

 (新潮選書・1404円)

 自由な時間は多いが給料が低い仕事と、自由な時間はないけれど給料が高い仕事のどちらがいいのか。この選択は人によって異なるだろう。

 イソップは「太った奴隷になるよりも飢えて自由な方がよい」と「犬とオオカミ」の寓話(ぐうわ)で書いている。しかし、著者の猪木武徳氏は、ことはそれほど単純に割りきれないのではないか、と疑問を呈す。「何かに隷従したい」という気持ち、「拘束を受けても、十分食べたいという欲望」があるのではないか。「自由で飢える」方がよいと考える倫理的根拠や、精神的な欲求としての自由をいかなる価値よりも優先させるべき理由は何か。自由と不自由のコストとベネフィットを考量するときがあるのではないか。本書は、こうした疑問について様々な思想家の考えを紹介しながら著者の考えを回想を交えてまとめたものだ。

 本書は「守るべき自由とは何か」「自由のために闘ったアテナイの人々」「古代ローマ人の自由と自死」「信仰と自由、宗教と政治」「教える自由、学ぶ自由」「言論の自由、表現の自由」「賭ける自由と経済発展」「恒産・余暇・自由」という八つの章で構成されている。いずれも魅力的なテーマだ。すべてを紹介することはできないので、第一章と第四章に限って紹介したい。

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