連載

うみやまリレーダイアリー

徳島に来た人たちの目に、この地はどのように映っているのだろう。徳島で暮らす人たちに日々の暮らしの感想をつづってもらう。

連載一覧

うみやまリレーダイアリー

神山町に移住 古屋淳二さん(43)=編集工房主宰 /徳島

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 <徳島で暮らしてみれば>

先人の物語伝える「本」

 神山町のことをほとんど知らずに勢いで移住してきたため、町に本屋も図書館もないと知った時、本好きとしては動揺を隠せなかった。しかしある時、自分が「本」を一般に流通している「書籍」としか考えていないことに気づいた。

 昨年のこと。地域おこし協力隊として編集・発行を担当していた新聞の特集記事のため、すだちの商業栽培を始めた方々の話を聞いた。そこで出会ったのがすだち栽培五十周年の記念冊子。そこには町史にない先人の物語が書かれていた。本を「複数枚の紙を束ねたもの」と定義すれば、まさにそれは「本」。この町にしかない「本」に出会った瞬間だった。

 「議会だより〜かみやま」最新号によれば、町が所蔵している戦前の兵事資料は全国でも3自治体にしかない。専門家によれば、軍の命令でほとんどの自治体で焼却された。誰がどのような思いで遺したのだろう。町郷土資料館には旧役場資料がかなりあり、全国からの問い合わせもある。

この記事は有料記事です。

残り520文字(全文943文字)

あわせて読みたい

注目の特集