メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • 政治プレミア
  • 経済プレミア
  • 医療プレミア
  • トクトクプレミア
社説

視点 2016参院選 若者と社会保障 親世代も関心持たねば=論説委員・野沢和弘

[PR]

 この参院選は18歳から投票できるようになる初めての国政選挙だ。重要な争点の一つは年金や医療などの社会保障である。そして、消費増税の先延ばしで必要な財源が確保できなくなった安倍政権の責任を問う選挙でもある。

     ところが、若い人ほど社会保障には関心が薄い。年金や介護が必要になるのは何十年も先のことだ。1000兆円を超える借金のツケが自分たちの世代に回ってくると言われても、いつなのかわからないから現実感もわかないのだろう。

     未来を担う世代が抗議の声を上げないのをいいことに、国民に不人気な負担増を避け続けてきたのがこの国の政治だ。

     世代によって社会保障観はかなり異なる。児童手当などの経済援助が薄く、子供を預けられる所もなかった時代に専業主婦をしていた人からは「自分たちは貧しい中で苦労して子育てしたのに、若い世代は甘えているのではないか」という意見をよく耳にする。

     ただ、専業主婦は自ら年金保険料を払わなくても、「第3号被保険者」として基礎年金を受給できる。夫が亡くなった場合は手厚い遺族年金がある。かつては同居する祖父母や近所の人々に子育てを助けてもらっていた人だって多いはずだ。

     賃金の低い非正規雇用が全体の4割を占める現在は、夫婦で共働きしなければ生活できない人が多い。特に母子家庭の貧困率は5割を超え、平均年収は181万円に過ぎない。

     少ない収入から国民年金も国民健康保険も払わなければならない人の目には、専業主婦は恵まれた存在として映るはずなのだが、そうした制度のからくりすら知らない人が多いのではないだろうか。

     バブル崩壊後に高校や大学を卒業した「就職氷河期」世代は非正規雇用の核を形成している。現在も高校生の不登校と中退は毎年計10万人を超える。膨大な低年金・無年金者の予備軍が存在するのだ。

     非正規雇用は著しく賃金が低い。貧困家庭に生まれると教育の機会すら得られない。若者はもっと怒ってもいいと思う。ただ、日々の暮らしに精いっぱいで、政治や社会に関心を持つ余裕がない若者たちを叱咤(しった)し、「選挙に行け」と言うだけで問題が解決するとも思えない。

     若者たちの窮状に応える政策を政党や候補者はもっと語るべきだ。親世代もひとごとで済ませてはいけない。子供世代が先細りしていけば、自分たちの老後が危うくなるのだ。想像力を働かせ、未来を選ぼう。

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 「やりすぎた 反省している」あおり運転事件で容疑の男 交際相手も全面的に容疑認める

    2. あおり運転か 車止めさせ運転手の顔殴打疑い 42歳男逮捕 岐阜

    3. 特集ワイド 猛暑のソウル「反日」一色と思いきや… ロウソクと太極旗、揺れる劇場都市

    4. 「前の車が遅く、運転妨害された」あおり運転 容疑の男供述 茨城

    5. あおり運転も立件方針 暴行や道交法違反容疑視野 映像で悪質性判断 茨城県警

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです