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三宅宏実 4度目の五輪(その2止) 師弟16年、目標は頂点

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けがを抱えながらも今年5月の全日本選手権に出場した三宅宏実。53キロ級で結果は4位だった=山梨市で、望月亮一撮影
けがを抱えながらも今年5月の全日本選手権に出場した三宅宏実。53キロ級で結果は4位だった=山梨市で、望月亮一撮影

 

 ◆重量挙げ、初めて自分で選んだ道

衝突、失敗、銀メダル

 東京都北区にある味の素ナショナルトレーニングセンターが重量挙げ女子48キロ級、三宅宏実(30)の練習拠点だ。バーベルを持つ三宅の傍らで、監督の父義行さん(70)が見守る。

 「今の高さならいい」「挙げた時の今の位置は良かったよ」。義行さんの視線は、正面や横からフォームを確認するビデオ映像と三宅の姿を交互に捉えていた。褒められた三宅だが、納得がいかないのか表情はさえない。「まだ出来に波がある」。義行さんは窓外に目をやりながら声を掛けた。「天気だって良い時も悪い時もある。(波があるのは)しょうがないんだよ」

 8月5日のリオデジャネイロ五輪開幕が近づき、選手の気は張り詰める。自信は揺らぎ、練習でも本番同様に重いバーベルを挙げて不安を払いたがる。しかし、それをしてしまうと、試合前に体調のピークが来る。「重量挙げは試合に合わせて筋肉をつくっていく競技」と義行さんは言う。三宅は自分が納得するまで突き詰めて練習するタイプで、けがのリスクもつきまとう。オーバーワークにならないようセーブするのが義行さんの役目だ。…

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