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川本三郎・評 『清岡卓行の円形広場』=宇佐美斉・著

 (思潮社・2592円)

 ◆宇佐美斉(ひとし)著

罪障感ある詩人が夢見た「青」い空

 『アカシヤの大連』で芥川賞を受賞した清岡卓行(きよおかたかゆき)は詩人として出発した。小説を書くようになってからも、詩を大事にし続けた。肩書は必ず「詩人・作家」にした。

 本書は、詩人、作家の両面からとらえた清岡卓行論で、読みごたえがある。著者は、清岡卓行を敬愛したフランス文学者。詩と小説を丁寧に読みこみ、親しみをこめて論じている。散文の明晰(めいせき)さと詩の柔らかさが溶け合った文章がまさに清岡卓行の清冽(せいれつ)を思わせる。

 『アカシヤの大連』を書いたことで分かるように清岡卓行は大正十一年、中国の大連の生まれ。旧植民地の技術エリートの子である。その出自が清岡の詩と散文の核にあった。

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