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中島岳志・評 『長渕剛論−歌え、歌い殺される明日まで』=杉田俊介・著

 (毎日新聞出版・1620円)

長渕の「過剰」が向かう「明日」を注視

 長渕剛は「過剰」なミュージシャンである。怒りや悲しみといった情念をむき出しにし、思いを歌に乗せて叩(たた)きつける。その姿は激しく、粗暴で、時に痛々しい。私は長渕になじむことができず、これまで敬遠してきた。

 杉田は中学生のころ、長渕が好きだったと言う。しかし、歌詞が激しくなるに従い、ついていけなくなった。現代日本に対する罵倒と嫌悪。そして、反転した愛国。大学の学食で長渕の激しい歌が流れると、周りは失笑と苛立(いらだ)ちに包まれた。いたたまれず耳をふさぎたくなった。しかし、杉田は長渕に帰っていく。共感と違和感を激しくぶつけながら。

 杉田がこだわるのは長渕の「弱さ」である。長渕には子供の時からやさしさへの飢えが存在する。愛されたい…

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