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詩歌の森へ

蛇笏と迢空の全て=酒井佐忠

 蛇笏賞・迢空賞が第50回を迎えた今年、画期的な文庫版の『飯田蛇笏全句集』(角川ソフィア文庫)と『釈迢空全歌集』(同・岡野弘彦編)が同時に刊行された。文庫とはいえ、いずれも700ページ前後の重厚な2冊。繁忙の現在に忘れられがちな蛇笏と迢空が近現代の日本の詩歌に残した渾身(こんしん)の作品群と作家像に触れることができるのは、貴重なことだと思う。

 飯田蛇笏は、自然の景を眼前に徹底して思索を深めた。<芋の露連山影を正(ただし)うす><くろがねの秋の風鈴鳴りにけり>。甲州の風土に対峙(たいじ)して格調高く詠い上げた初期作品から、最晩年の<地に近く咲きて椿の花おちず>や、<誰彼もあらず一天自尊の秋>まで、蛇笏の真髄が読みとれる。第一句集『山廬集』から遺句集『椿花集』まで9冊の句集を完全収録する文庫版は初めて。長文の解説で井上康明は、「その声調は…

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