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核の傷痕 続・医師の診た記録/24 被ばく労働者の「傷痕」=広岩近広

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 原発はメルトダウン(炉心溶融)をきたす大事故に至ると、私たち人間の手に負いかねる。チェルノブイリや福島が例示している。問題はそれだけにとどまらず、稼働を続けるうえで労働者の被ばくが避けられない。

 約40年にわたり「被ばく労働者」を診てきた阪南中央病院(大阪府松原市)副院長の村田三郎医師は、原発についてこう言い表した。「巨大な科学技術の陰に原始的な被ばく労働者がいる、それが原発なのです。残念ながら、作業員の健康被害は避けられません」

 村田さんが原発作業員の放射線障害を初めて診たのは1973年夏のことである。大阪大学医学部を卒業して付属病院に勤める研修医だった。男性患者の岩佐嘉寿幸(かずゆき)さんは、右膝の内側に直径約10センチの黒褐色の炎症が認められ、右脚は浮腫で腫脹(しゅちょう)していた。

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