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武田 砂鉄・評『補欠廃止論』セルジオ越後・著

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精神論的な「美談」で終わらせるなかれ

◆『補欠廃止論』セルジオ越後・著(ポプラ新書/税抜き800円)

 張本勲の「喝!」は、もはやエンターテインメントと化しているが、セルジオ越後の辛口コメントはただただ避けられがちである。勝っても負けても選手の雄姿を褒め称(たた)え、男前や美人ばかり追い、芸能人を多用する試合中継に対し、「あれでは、スポーツを題材にしたバラエティー番組と一緒」と真っ当に切り捨てるセルジオを、日本代表戦の解説席で見かけることは少なくなった(スタジオでは見かける)。

 本書でセルジオは、日本の部活動に根付く補欠制度を突(つつ)く。サッカーならば、選手はエントリーフィー(登録費)を日本サッカー協会に払うのだが、二つ以上のチームに所属することは許されない。このシステムによって、補欠が生まれる。当然だが交代要員である控え選手は必要であり、彼が問題視するのは、スタンドから応援させられるだけの補欠選手たちを「毎日練習に来て頑張っていた。偉かったね」と認めるような精神論だ…

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