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音楽の窓から世の中を眺めて

ジャーナリスト、江川紹子さんの音楽コラム。クラシックナビ連載。

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オルトルートとエルザ

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撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場
撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

江川紹子

 新国立劇場の「ローエングリン」は、私にとっては、今年のオペラ公演の最大の目玉。フォークト様の澄み切った、それでいて温かみのある美声が、ある時は天空から降り注ぐように、あるいは宙空から湧き出でるように響き、心と体に染みこんでいく。1度ではあきたらず、3回劇場に足を運んだが、いつの回も、それはそれは至福の時だった。

 劇場を出て来る人たちの表情も、うっとりと幸せそう。とりわけ女性たちは、フォークト=ローエングリンにすっかり魅せられた様子で、観劇後のおしゃべりも、ひときわ楽しいものだったのではないだろうか。

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