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「私たちの世代、1人でラーメン屋に行けないから結婚したなんて、結構あるんですよ。私はどこでも1人で行けるし、寂しくない」=東京都杉並区で、内藤絵美撮影

「見えない恋人」卒業 自分を取り戻した

 語るほどに美しく、語るほどに若くなる不思議な人。5月で69歳になった。3で割った23と縁がある。素数の23が人生の節目となってきた。

 劇団の主宰者で、師と仰いだ作家、安部公房氏の恋人になったのが23歳。妻子ある安部氏は23歳年上だった。ほどなくNHKの連続テレビ小説「繭子ひとり」のヒロインに抜てきされ、「見えない恋人」として生きる道を選んだ。安部氏が妻と別居してからは共に過ごし、つき合って23年後に安部氏は逝った。

 相性も趣味も気楽さも、これ以上ない相手なのに、戸籍上は他人、「愛人」の立場がついて回った。だから、最後の最後、安部氏が自分の部屋で倒れたとき、とっさに電話したのは、彼の家族だった。自分の知る病院でみとることもできたのに、「来ないで」と言われ、葬式にもひつぎにも近づけず別れた。ひとりヘッドホンをつけ、うつむいて、冬の道を歩き続けた。

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