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開かれた新聞

委員会から ヘイトスピーチ報道 課題は

警察官が割って入る中、もみ合う集会参加者と反対する市民ら=川崎市で2016年6月5日、小出洋平撮影

 特定の人種や民族に対する差別的言動を繰り返す「ヘイトスピーチ」の解消をうたった対策法が6月3日に施行されました。2000年代に入って過激化した在日韓国人・朝鮮人への差別的言動・街宣活動が背景にあります。新法には罰則規定がないため、効力を疑問視する声もある一方、川崎市でヘイトデモを禁止する司法判断が出るなどの効果も出ています。毎日新聞は執拗(しつよう)なヘイトスピーチの実態をこれまで十分伝えてきたか。今後どのような報道が求められるか。第三者機関「開かれた新聞委員会」の4委員から意見をいただきました。(意見は東京本社発行の最終版に基づきました)

 毎日新聞の報道は、差別的言動に苦しむ人々に寄り添う姿勢が強かった半面、表現の自由にとっての問題点の掘り下げが不十分だったのではないか。5月21日朝刊には、表現規制の恐れを指摘する学者のコメントも掲載されていた。しかし、短いコメントだけで具体的な説明はなかった。ヘイトスピーチ対策法は、表現の自由との「兼ね合い」から、禁止や罰則のない「理念法」になったというが、ヘイトスピーチ規制の是非を読者に考えさせるためには、その兼ね合いの意味をより詳しく説明すべきだったと思う。

 罰則がなく効果に期待できないといわれながら、ヘイトデモを禁止する仮処分決定が出るなど、法ができただけで波及効果が出ている。今回の判断が妥当だったとしても、事後規制に比べ事前規制は集会の自由にとってより大きな脅威となる。安易な差し止めの拡大に対する警戒の必要性も視野に入れておくべきだ。

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