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張競・評 『父を想う−ある中国作家の自省と回想』=閻連科・著

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 (河出書房新社・2376円)

精神の石碑に農民生活の叙事詩刻む

 『愉楽』という小説で話題を呼んだ作家だが、この作品は閻連科(イエンリエンコー)の家族についての思い出である。日本なら小説と称しても不思議ではないが、本人にしてみれば、永遠に過ぎ去った世代に捧(ささ)げる鎮魂曲にはこの語り方がもっとも相応(ふさわ)しいであろう。

 読了して脳裏に去来するのは北杜夫の『幽霊』の書き出しである。

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