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小島ゆかり・評 『俳句と歩く』=宇多喜代子・著

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 (KADOKAWA・1836円)

幼少時の記憶から世界情勢まで

 宇多喜代子の俳句の魅力は、宇多喜代子の人間の魅力である。豪放磊落(ごうほうらいらく)でありながら、滋味深く人間的なやさしさに満ちている。つねに大きな時間の循環のなかでものごとを捉え、金輪際、自分を飾ることがない。それはまた、宇多喜代子の文章の魅力でもあることを、このたび強く実感した。

 本書は、月刊誌『俳句』に五十回連載(二〇一一年四月号より)された同名のエッセイから抜粋してまとめられた一冊。幼少時の記憶から近年の地球環境や世界情勢まで。食のこと、言葉のこと、自然や文化のこと、人間のこと戦争のこと。歳月の引き出しから、じつにさまざまな話題が出てくる出てくる。そしてそこには、有名無名の作者の多くの俳句が連れ立っている。

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