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磯田道史・評 『食糧も大丈夫也』=海野洋・著

 (農林統計出版・5940円)

 大日本帝国は「資源」の心配から、フランス領インドシナ(仏印)の南部に進駐した。それに怒ったアメリカが「日本に石油を輸出せぬ」といい、帝国陸海軍は「アメリカに石油を止められては軍が動けなくなる。動けなくなってからアメリカに戦争を仕掛けられては必敗だ。ならば、こっちから戦争を仕掛けよう」と、あろうことか中国との戦争中に、さらに米・英・蘭に対して戦争をはじめた。このことは教科書で習う。しかし、あまり知られていない事実がある。大日本帝国が心配していた「資源」は、石油や金属というよりも、直接的には、コメなどの食糧であったかもしれない、ということだ。

 幕末の日本人口は3400万人、玄米の生産高は2500万石ほどであった。この段階では日本人全員が毎日コメは食べられなかったが、明治大正になって豊かになり米食が普及した。日米開戦直前の1939年に日本本土の人口は7100万人ほど。彼らが十分にコメを喰(く)うには本土に毎年コメ8000万石が必要であった。ところが本土では毎年7000万石ほどしかコメがとれない。そこで植民地にした朝鮮と台湾からコメを輸入…

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