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論点

問われる「軍民両用」研究

山崎正勝氏

 日本の科学者の代表機関である「日本学術会議」が、戦後堅持してきた軍事研究を否定する方針の見直しを始めた。28日から本格化する議論の行方が注目される。きっかけは、軍事用にも民生用にも使える「デュアルユース」技術の研究を大学などに促す政府の動きだ。軍民両用目的の研究資金制度も始まり、研究者も揺れている。日本の科学技術研究はどうあるべきなのか。

 デュアルユースとは「軍民両用」という意味だ。これまでわが国では、その可能性を持つ技術には軍事転用防止の措置が取られてきた。2012年に日本学術会議が出した「科学・技術のデュアルユース問題に関する検討報告」も同様で、民需で恩恵が期待される微生物研究の成果が、バイオテロなどの軍事目的に利用されることを懸念したものだ。これに対し、防衛省が最近提唱するデュアルユース研究はあくまでも軍事優先で、その成果を民間でも使ってよいという、従来とは正反対の構想だ。

 防衛省は昨年、「安全保障技術研究推進制度」を発足させ、これまでの装備の研究開発を基礎研究にまで広げ、大学や旧国立研究所などの独立行政法人に研究費を配分し始めた。今年度の予算は倍増されて6億円規模になった。国立大学への国からの運営交付金が削減され続けているため、その不足分を防衛省の研究費で補う動きもある。「基礎研究だから」「研究成果の公開が保障されているから」といった、防衛省からの研究費を容認する…

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