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加藤浩子の「街歩き、オペラ歩き」

野外オペラの醍醐味 ヴェローナ音楽祭

アレーナの外観

 ミラノから東へ車で1時間半あまり。シェークスピアの傑作戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台として知られるヴェローナは、旧市街全体が世界遺産に登録されている古都だ。ゆるやかに蛇行するアディジェ川の左右に開けたれんが色の街には、ローマ帝国時代から近世にいたる歴史的な建築物がひしめき、川沿いや丘のふもとを彩る緑と、鮮やかなコントラストを形作る。豪勢な建物に囲まれたエルベ広場で、果物や土産物をカラフルに並べた市場をひやかすのも楽しい。天気のいい日には北方に位置するアルプスの山並みが望めるし、観光客の雑踏に疲れたら郊外に足を延ばせば、この地方名産の赤ワイン、ヴァルポリチェッラを生むブドウ畑が広がる。畑の合間に点在するワイン醸造所に隣接したワインショップで試飲のグラスを傾けるのも、この地方を訪れる楽しみだ。

 そんなヴェローナの夏の風物詩が、ローマ帝国時代の闘技場=アレーナで開催されるオペラフェスティバル。劇場が夏休みに入る夏、ヨーロッパでは野外オペラも盛んになるが、なかでもヴェローナのアレーナにおけるそれは(以下「ヴェローナ音楽祭」と表記)、長い歴史と最大の規模を誇る。創設は1913年。イタリア・オペラを代表する作曲家ヴェルディの生誕100年がきっかけで始まった。記念すべき第1回公演で上演された「ア…

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