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筒井紘一の茶の湯つれづれ

京都・裏千家今日庵文庫長、茶道資料館副館長の筒井紘一さんが、茶の湯にまつわる逸話や思想、動向を紹介します。

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筒井紘一の茶の湯つれづれ

歌舞伎も同じ修業精進

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流れるように進められる薄茶の点前。何気ない所作に美が宿る=京都市北区で、加古信志撮影
流れるように進められる薄茶の点前。何気ない所作に美が宿る=京都市北区で、加古信志撮影

 歌舞伎と茶の湯。どちらも長い伝統の中で培われ、継承されてきた独自の「型」や「技」を持つ。筆者は昨今の歌舞伎人気を喜びながらも、茶事に置き換えてある利休の言葉を思い出した。その意味とは−−。

 3年前の春に建て替えられた東京・歌舞伎座の入場者数は、大入り満員が続いているそうである。めでたいことである。だが、こうした状況は歌舞伎界にとって決して良いことばかりではないと指摘する研究者がいる。友人の田口章子・京都造形芸術大教授である。田口氏は歌舞伎に関する多くの著書があり、近年も『八代目坂東三津五郎』を出版された。

 彼女によれば、歌舞伎座を埋めている多くの人たちは、テレビなどのメディアで目にする役者を見に来ているだけで、歌舞伎そのものを鑑賞する人は少ないという。もちろん、それが悪いことばかりではない。一役者への関心から歌舞伎文化に関心を持つ人も少なくないだろう。

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