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社説

子供の安全対策 見守りと教育の両輪で

 子供の連れ去り事件が相次いでいる。一昨年7月、岡山県倉敷市で小学5年の女児が男に誘拐されたうえ監禁され、5日後に救出された。同年9月には、神戸市で小学1年の女児が男に誘拐され殺害された。

     今年3月、埼玉県朝霞市の15歳の少女が監禁先から逃げ出し、保護された事件も記憶に新しい。車で男に連れ去られ、実に2年あまり監禁状態に置かれていた。

     最近公表された警察白書によると、略取誘拐事件の全被害に対する子供の被害の割合は4割以上と、極めて高かった。子供がこうした犯罪に巻き込まれないための取り組みを学校や警察、地域が一丸となって進めていきたい。

     車などによる連れ去りは、下校時間帯の人目につかない道路などで多く起きている。

     学校現場では、防犯教室などを通じて子供たちに注意を呼びかけている。防犯標語の「イカのおすし」がよく知られる。「イカ(ついて行かない)の(乗らない)お(大声でさけぶ)す(すぐ逃げる)し(知らせる)」だ。不審者に出会った時の機敏な対応を促している。

     最近は地域で子供を見守る動きも進んでいる。「子供110番の家」のステッカーを張った家や商店などには、危険に遭遇した子供がかけこめる。警察も不審者対策のため、下校時間帯の通学路などでのパトロールを強化している。

     こうした周囲の取り組みと併せ、子供たちが学校周辺を歩き、自分たちの目で防犯マップ作りを始めた学校がある。千葉県柏市内の小学校は昨年、科学警察研究所が開発したパソコン用のソフトを活用し、社会科の授業の一環で地図を完成させた。

     使ったのは、人工衛星の電波で位置を測定できる全地球測位システム(GPS)受信機と、録音用のICレコーダー、デジタルカメラだ。それらを持ってグループごとに学校周辺を歩き、不審者が現れやすいような危険な場所の写真を撮ったり、不審者情報の張り紙の内容などを読み上げて録音したりした。

     帰校後にソフトを使って情報をパソコンに入力して地図を完成させた。現場でメモを取るなどの手間をかけずに作れるのがメリットだ。

     不審者に出くわした時の対応力はもちろん必要だが、危険な場所を事前に知り、近づかないことで不審者に出会わないことを目指しているという。また、危険な場所を学校や地域の力で危険でない場所に変える環境改善のきっかけにもなる。

     子供たちの自主性を生かした防犯教育をさらに進めてほしい。地域の見守りなどと併せ、卑劣な事件を防ぎたい。

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