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社説

改造内閣 党対策より改革推進を

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 第3次安倍再改造内閣が発足した。安倍晋三首相は閣僚の半数以上を代える一方で、大半の主要閣僚は留任させ、継続性を重視した。

     参院選で政権の基盤を強化した首相が、どんな旗印を人事で示すかが注目された。留任した閣僚の多くは官房長官、財務相、外相など政権の骨格に関わるポストだ。閣僚10人が入れ替わったにもかかわらず、あまり変化を感じさせない布陣である。

     防衛相に稲田朋美・前自民党政調会長、経済産業相に世耕弘成・前官房副長官をあてるなど、首相に近い議員の登用が目立つ。稲田氏の起用は安全保障政策を担当させることで、将来のリーダー候補として育てる狙いからとみられる。

     初入閣が8人にのぼった背景には、当選を重ねながら閣僚経験がない「待機組」が自民党内で約70人に達し、派閥に不満がたまっている事情がある。党内には2018年秋に期限を迎える首相の総裁任期延長を求める声がある。首相はきのうの記者会見で「任期延長は全く考えていない」と述べたが、人事を通じて「身内」の優遇と党内基盤の強化を進めた印象はぬぐえない。

     一方、石破茂前地方創生担当相は閣内残留を求める首相の要請に応じず閣外に去った。「ポスト安倍」をにらんだ動きとみられるが、首相とスタンスの違いが目立っていただけに、自然な判断だろう。

     今回の人事で残念なのは、首相が改造内閣で何を目指すのかというメッセージがあまり伝わってこなかった点である。

     首相はこれまで「地方創生」や、「1億総活躍」担当相を設けるなど、内閣改造人事のたびに政策の新たな目標を示してきた。今回は「働き方改革」担当相を設け、加藤勝信1億総活躍担当相が兼務した。雇用・給与改革の重視は理解できる。

     ただ、安倍内閣はいま、政策全般の再点検を迫られつつある。

     アベノミクスの経済政策をめぐっては、首相が約束した経済成長の目標達成が困難な状況だ。消費増税の先送りにもかかわらず、財政出動には歯止めがかからない。

     参院で自民党が27年ぶりに単独過半数の議席を回復するなど、参院選を経て安倍内閣は難易度の高い改革に取り組める基盤を得た。

     とりわけ75歳以上の高齢者の急増に伴う医療・介護や、子育て支援などに対応できる税と社会保障のビジョン作りは強い内閣でこそ可能だ。こうした改革に正面から取り組む姿勢をみせてほしかった。

     首相は在任中の実現を目指す憲法改正について、議論の進展に改めて期待を示した。だが、政権の多くの力を費やせる状況ではあるまい。

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