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社説

リオ五輪開幕 困難越え成功させたい

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 政治の混乱と経済の低迷が続くブラジルでリオデジャネイロ五輪が開幕した。ロシアの国家ぐるみのドーピング(禁止薬物使用)問題で公正、公平であるべきスポーツへの信頼も揺らいでいる。記念すべき南米大陸初の「スポーツの祭典」はかつてない困難を抱えながら始まった。

 開会式では、内戦などで祖国を離れざるを得なかった10人の「難民選手団」が五輪旗を掲げて入場行進をすると、大きな拍手が送られた。五輪は国家間ではなく、選手間の競争であるという五輪憲章に沿って国際オリンピック委員会(IOC)が初めて結成した。

 スタジアムが歓声に包まれた一方で、今のブラジルには招致に成功した7年前の熱気はない。最新の世論調査によると、国民の半数が五輪の開催に反対している。汚職や治安の悪化、失業率の上昇などで、五輪どころではないという事情がある。前回ロンドン大会の2倍となる約8万5000人を投入する厳戒警備態勢への反発も強い。

 五輪そのものもドーピングによって深刻な危機を迎えている。

 開幕前、世界反ドーピング機関(WADA)は、治安機関も関わった隠蔽(いんぺい)工作が長期にわたって多くの競技で行われていたとする報告書を公表し、ロシア選手団をリオ五輪に参加させないようIOCに対し異例の勧告を行った。

 ロシアは当初、389選手を派遣する予定だったが、陸上や重量挙げを中心に100人以上が参加を禁止された。処分の解除を求めた選手たちがスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴するなど、開幕直前まで参加選手が確定しない混乱ぶりだった。

 出場を認められたロシア選手が表彰台に立った時、観客は素直に祝福できるだろうか。疑惑を残したままではメダルの価値も傷つく。国力の誇示のためスポーツを利用したロシアの罪は重い。

 IOCは大会期間中、史上最多となる約5500件の検査を実施する。ドーピングは競技の公平性を揺るがし、多くのアスリートの権利を侵害する不正行為だ。スポーツへの信頼を取り戻すためにIOCは違反に厳しく立ち向かい、フェアでクリーンな大会にしなければならない。

 日本は自国開催となる4年後の東京大会に向け、金メダル数をロンドン大会の2倍となる14個、総メダル数30個以上を目標に掲げている。柔道、レスリング、体操、競泳などの活躍が期待される。

 だが、勝負は時の運だ。強い者が必ず勝つとは限らない。勝っておごらず、負けて腐らず。「やはりスポーツは素晴らしい」と思えるようなフェアプレーを見せてほしい。

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