メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

養老孟司・評 『外来種は本当に悪者か?−新しい野生 THE NEW WILD』=フレッド・ピアス著

 (草思社・1944円)

 よく考えずに、こうだと決めてしまっている。世間で論じられていることには、あんがいそれが多いのではないか。本書の主題である外来種問題も、その一つであろう。よそ者は生態系の純粋さを乱す悪者だ。おかげで地元の可憐(かれん)な生きものがいなくなる。それが一般の印象ではないだろうか。

 著者はさまざまな事例を取り上げつつ、この問題を吟味しなおす。多くの場所を訪れ、多くの人にインタビューする。ただし生態学の専門家ではなく、英国の科学ジャーナリストである。以前出版された『水の未来』(日経BP社)もたいへんよくできた報告で、その内容はいまでも私の頭に残っている。

 総論としていえば、外来種はいずれは地元の生態系に取り込まれる。さもなければ、まったく滅びてしまう。あえて外来種を駆除しようという試みはたえずなされるが、ほとんど不可能に近い。時にはまったくのムダ、要するに費用対効果が釣り合わない。著者の挙げる例を読んでいただけば、それに納得がいくであろう。

この記事は有料記事です。

残り938文字(全文1372文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 犬の散歩中、男性はねられ死亡 運転の大学生「LINE来たのでスマホを」

  2. 東京・足立の住宅に500人分の人骨 標本業者が放置か

  3. 出た!大阪・梅田で人骨1500体超 別の場にもウメタ?埋葬想定より遅い江戸~明治

  4. 世界の雑記帳 死亡した英男児の棺が空と判明、遺体の扱いに疑念の母親が真実追及

  5. 見えたー! ペルセウス座流星群がピーク迎える 天の川と「競演」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです