「1万人の第九」のつくりかた

【1】「やってみなはれ」で始まった

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この舞台で歌うため、練習に励む1万人の合唱団=写真提供:毎日放送
この舞台で歌うため、練習に励む1万人の合唱団=写真提供:毎日放送

 歓(よろこ)び、その不思議な力は、時の流れが引き裂いていたものを再び結び合わせる。そのやさしい翼に抱かれてすべての者は兄姉になる。(フリードリッヒ・フォン・シラー「歓喜に寄せて」より、訳・編集:サントリー1万人の第九事務局)

 ベートーヴェン「交響曲第9番」、通称「第九」。すべての人々への愛と平和への願いがつづられたシラーの詩「歓喜に寄せて」を歌詞に引用した第4楽章「歓喜の歌」は、日本で最も親しまれているクラシック音楽の一つであろう。1983年にスタートし、今年で34回目となる「サントリー1万人の第九」は、文字通り全国から1万人が集まり、大阪城ホールで第九を歌うイベントだ。今年も12月4日に、佐渡裕指揮「歓喜の歌」を共に歌い上げる。「音楽以上の音楽がある」と佐渡が評する「1万人の第九」、その歴史や参加者の思い、コンサート当日の舞台裏などを“同時進行”で紹介していく。第1回は、「サントリー1万人の第九」のチーフプロデューサーである毎日放送の山川徳久さんに、イベントがスタートした背景や変遷について語ってもらった。【構成・西田佐保子】

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