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身じまい練習帳

滝野隆浩・社会部編集委員が、墓、相続、葬儀といった人生の最期をいかに迎えるかを皆で考えます。第1・3月曜日更新。

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整列した墓に「個性」求める

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整然と並んで建てられた「芝生型墓所」。このタイプは花立は、設置できるという=川崎市内で、滝野隆浩撮影
整然と並んで建てられた「芝生型墓所」。このタイプは花立は、設置できるという=川崎市内で、滝野隆浩撮影

 専門家2人と先月末、「霊園めぐり」をした。火葬場設計の第一人者、八木澤壮一・東京電機大名誉教授と日本葬送文化学会長の長江曜子・聖徳大教授が論文執筆のため、川崎市内の市立霊園を2カ所回った。「霊園は年々新しくなるから、定期的に見ていれば発見がある」という。後ろを歩き、2人の会話に聞き耳を立てていた。

 1カ所目。まず身寄りのない人の「無縁合葬墓」の周りをぐるぐる見て歩き、新しくできた納骨堂へ。「近づけたくないんだね」。八木澤先生がつぶやく。合葬墓の納骨室の扉は、フェンスと生け垣で隠れていた。納骨堂では、献花台から遺骨のあるスペースまで距離があった。先生は違和感があるという。「死」を遠ざけてきた戦後の国民感情が、霊園設計にも反映するということなのか。

 2カ所目は比較的新しい霊園。一般墓地の先、新しく造成された区画に、タイプの違う3種の墓所がある。使用料の安い方から「集合個別型墓所」「芝生型墓所」「壁面型墓所」。「壁面型」には墓誌や花立て・線香立てが個別に設置でき、墓参者が直接、墓前まで行って線香や花を供えられる構造になっている。

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