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特集ワイド

平和よ 2016夏・会いたい/5 妻に語った最期の言葉 いい世にならなかったね 小宮山量平さん

「理論社」創業者の小宮山量平さん=東京都千代田区神田神保町で2010年10月20日、岩下幸一郎撮影

 ちっちゃなつぼが仕事机に置かれている。蓋(ふた)を開けたら、いた。幾つかの白い骨片になって。怒られるかと思ったら、まん丸顔の遺影は穏やかにほほ笑んでいた。

 小宮山量平さんに会いたくて、長野県上田市へやってきた。JR上田駅前に建つうなぎ屋の3階にある「エディターズ・ミュージアム(小宮山量平の編集室)」。理論社を創業した戦後を代表する出版人で、多くの創作児童文学者を育ててきた編集者の足跡が一望できる。先の見えない時代、私は折に触れ、どうしたものかとインタビューしてきた。理論社が倒産した2010年秋に話を聞いたのが最後、亡くなったのは2年後の春だった。

 「<壺(つぼ)ひとつぽとんと沈め河川葬(おそうしき)>なんて遺言のような句を詠んでいたでしょ。三つのつぼに遺骨を入れ、一つは母、一つは庭に埋め、一つは千曲川に落としてくれと言い残してね。ここにあるのは母に渡したつぼです」。長女でミュージアム代表の荒井きぬ枝さん(68)が父の思い出を手繰り寄せる。「体力が衰えてきても、母や私に思いを伝えようとしました。そして、語りかけたんです。『おかあちゃん、ちっ…

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