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中島岳志・評 『ボクシングと大東亜』=乗松優・著

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 (忘羊社・2376円)

戦後日本の歩み反映した東洋選手権

 戦後復興期の日本で、注目を集めたスポーツイベントがあった。ボクシング東洋選手権だ。この時、日本人の前に立ちはだかった強敵は、フィリピン人ボクサーだった。最高視聴率96%。なぜ東洋選手権は盛り上がったのか。そこに仮託された政治的意図と日本人のアイデンティティとは何だったのか。

 アメリカの植民地だったフィリピンは、米軍兵士を通じてボクシングを受容し、国際レベルの選手を輩出した。一方、戦前期の日本はボクシング後進国で、フィリピン人ボクサーは格の違う強者だった。

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