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色とりどりの旗を掲げた子供たちが1列になり沖のブイ目がけスイスイと水を切る。気を緩めると旗が傾き、水につかるから油断は禁物だ。ものを運ぶのに適した手繰り泳ぎの練習だ。池の向こう岸にゴルフ場の芝生が広がり、ときおりカートが行き来する光景が不思議である。
京都市北区の上賀茂游泳(ゆうえい)術講習所は京都ゴルフ倶楽部・上賀茂コース内の周囲約800メートルの小池にあり、子供たちに日本泳法を教えている。「ゴルフ場内にある水泳場は、おそらく日本でここだけ」という珍しい水泳教室。初めて訪れたゴルファーが「池で人が泳いでいる」と驚いて通報したというエピソードがあるそうだ。
旧上賀茂村長が1927(昭和2)年に「子供たちを水の事故から守りたい」と、当時、大日本武徳会游泳部(京都踏水会の前身)で水泳を教えていた岩崎六郎さん(1897〜1997年)に依頼し、上賀茂神社の森の中にある池に講習所を設けたのが始まり。周囲の森は葵祭の神事も執り行われる神域でもある。
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