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「脱ゆとり教育」行方は

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国会で答弁する馳浩文科相(当時)。この3日前、「脱ゆとり教育宣言」をした=2016年5月13日午後1時48分、藤井太郎撮影
国会で答弁する馳浩文科相(当時)。この3日前、「脱ゆとり教育宣言」をした=2016年5月13日午後1時48分、藤井太郎撮影

 文部科学相が「脱ゆとり教育」を宣言した。5月の記者会見で馳浩文科相(当時)は、2020年度以降に実施される次期学習指導要領の改定に向けて「ゆとり教育との決別宣言を明確にしておきたい」と語った。なぜ今、「脱ゆとり」なのか。これからの教育に求められるものは何か。識者3人に聞いた。

習得と探究のバランスを 市川伸一・東京大学大学院教授

 ゆとり教育の最大の反省点は、知識の役割を軽視し「知識か、思考か」「基礎・基本か、考える力か」という二項対立でとらえてしまった点だ。1989年改定の学習指導要領では、自ら学ぶ意欲や思考力などを学力の基本とする「新しい学力観」が強調されたが、知識が基盤としてなければ、考える力などつくはずもない。

 90年代を通じて「知識は古い」「ゆとりの中で生きる力を育む」などと言われ、学校での指導方法は大きく転換した。先生が教えるのではなく子供に気づかせるのが自力解決型の「良い授業」で、先生の役割は「指導」ではなく「支援」という考えが広まった。

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