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今村夏子さん

芥川賞候補「あひる」 ふとした瞬間、すくう見事さ

芥川賞候補「あひる」の著者・今村夏子さん=西本勝撮影

 先月行われた第155回芥川賞選考会で、受賞には至らなかったが選考委員の一部から高い評価を得たのが、大阪在住の作家、今村夏子さん(36)の「あひる」(『たべるのがおそい』創刊号)だった。

 芥川賞候補になったのは初めて。「候補になったこと自体が大きな喜びです」と語る。「あひる」は、自宅で飼う1匹のあひるを巡り、主人公とその家族、近隣の子供に訪れる悲喜劇や日常に潜む危うさが描かれる。自身が20歳過ぎ、あひるを飼う家の前を通りかかった。「その時の光景が残像として消えずメモに残した。それが作品の基になっている」

 選考委員の一人、小川洋子さんは選評を記す。「“ただそれだけのこと”の中に現れる、ふと、としか他に表…

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