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<特集>毎日新聞社と海外メディア、進む提携 相互理解、促進目指す

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卓球女子団体で銅メダルを獲得し、表彰台で1位の中国、2位のドイツの選手らと記念撮影に応じる(前列右から)伊藤美誠、福原愛と石川佳純(後列右端)=リオデジャネイロのリオ中央体育館で16日、和田大典撮影
卓球女子団体で銅メダルを獲得し、表彰台で1位の中国、2位のドイツの選手らと記念撮影に応じる(前列右から)伊藤美誠、福原愛と石川佳純(後列右端)=リオデジャネイロのリオ中央体育館で16日、和田大典撮影

 毎日新聞社は今月開催されたリオデジャネイロ五輪で中国青年報社と韓国の朝鮮日報社と報道協力し3カ国の視点を紙面で紹介した。また11月の米大統領選の行方と日米関係については米有力経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)の東京支局長をフォーラムに招いて講演会を開催。情報のグローバル化が進展する中で、インドネシア、ベトナムなどの海外メディアとも提携し、相互理解と国際交流を促進させるため、今後も多くの事業を進めていく。

日中韓3紙記者特集 拡大
日中韓3紙記者特集

五輪報道 中韓と協力

 毎日新聞社は2008年の北京五輪報道で中国青年報社、朝鮮日報社と協力し、3紙記者が書いた記事を各紙に掲載した。日中韓3紙協力は12年のロンドン五輪でも続き、今年のリオ五輪では「日中韓3紙記者が探る五輪の未来」(4日朝刊)「日中韓3紙記者がみたリオ五輪」(24日朝刊)と2回にわたって各紙に掲載。9月のリオ・パラリンピック大会でも報道協力する。

 14年に米ダウ・ジョーンズ社と提携し、同社の発行するWSJを日本国内で印刷、配布。今年4月からはデジタル分野での提携を本格スタートし、毎日新聞のデジタルサービスの有料会員であれば、ニュースサイト「毎日新聞」内で、WSJのコンテンツを追加料金なしで閲覧できるようになった。

 このほか、インドネシア・コンパス社とは14年からジャカルタ「絆」駅伝を共催し、今年5月に開催した第3回大会は日本政府が推進するスポーツを通じた国際貢献・交流「SPORT FOR TOMORROW(SFT)」の認定事業となり、鈴木大地・スポーツ庁長官が初参加するなど最多の441チーム1764人が出場した。

 ベトナム・トイチェ新聞社とは14、15年にホーチミンで開かれた「ジャパンフェスティバル・イン・ベトナム」に合わせ、農水産品の市場拡大や教育に関するセミナーなどを共催した。

チャイナウオッチ 日本語版でも協力

 中国の英字紙「チャイナデイリー社」が海外で発行する「チャイナウオッチ」日本語版を25日から、首都圏など1都6県の大半で配布する。日本語版は文化・芸術・スポーツ・観光・経済に絞って日本人読者向けに発行される。同社はWSJ、米ワシントン・ポスト紙、英デーリー・テレグラフ紙、仏フィガロ紙など10カ国14紙と提携し、「チャイナウオッチ」の各国版を届けている。

「中国」新世代と価値観共有 白石隆・政策研究大学院大学学長

 今は中国のさまざまなことを知ることが大事な時期だ。中国の台頭とともに中国から国境を越えてヒト、モノ、カネ、情報、企業などが周辺にあふれ出している。では、東アジア、特に東南アジアの「チャイニーズ(華人)」は、中国の台頭とともに、中国の国家資本主義モデルを広く受け入れ、中国の「中国人」のようになりつつあるかといえば、そうはなっていない。

 東南アジアでは英語で教育を受けたハイブリッド(異種なものが組み合わさった複合型)な「アングロ・チャイニーズ」が、エリートだけでなく中産階級でも一般的になっている。また、この20年くらいを見ると、中国国内でも、米国留学の経験があって、夜、夢を英語で見るような人たちがいろいろなところに進出している。こういう人たちが習近平の世代より国際主義的だとは言わない。しかし、それでも、こういう人たちは政治、経済、国際政治を語るうえで、我々と同じ社会科学の言語を共有し、教育、ライフスタイル、生活習慣、価値規範、こどもの将来などにおいて、我々ともっといろいろなものを共有するようになるだろう。いま中国を指導する世代と比較すれば、はるかにわかりやすい世代ではないかと思う。

スポーツ通じた交流支援 鈴木大地・スポーツ庁長官

 今年5月にジャカルタで開かれた毎日新聞社、コンパス社共催の「ジャカルタ『絆』駅伝2016」にランナーとして出場させていただき、1700人を超える走者と一緒に走った。ロンドン五輪女子マラソン日本代表の尾崎好美さんのようなオリンピックランナーから、楽しむために走る人など、日本人とインドネシア人が一体となってスポーツを楽しんでいた。まさに政府が主導するスポーツを通じた国際貢献・交流事業である「SPORT FOR TOMORROW」の精神を感じることができた。リオから東京五輪・パラリンピック競技大会に向け、体育カリキュラム策定や運動会、駅伝など、スポーツを通じた国際貢献・交流の輪が広がっていくよう、スポーツ庁としても支援していきたい。

ピーター・ランダースWSJ東京支局長 拡大
ピーター・ランダースWSJ東京支局長

米大統領選 リスクに備えを ピーター・ランダースWSJ東京支局長講演

 異業種交流組織「毎日21世紀フォーラム」の例会が7月22日、大阪市内のホテルであり、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙のピーター・ランダース東京支局長が「米大統領選の行方と日米関係」について講演。米共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏が支持を集める背景などを説明した。

       ◇

 なぜ、トランプ氏が共和党の大統領候補に指名されたのか。アメリカの歴史を踏まえ、その理由を解説したいと思います。

 バラク・オバマ氏が大統領に当選する1カ月前の2008年10月、私はWSJワシントン支局次長になり、医療政策担当のエディターでした。09年夏、連邦議会が医療制度改革の審議に入りました。改革法案の趣旨は保険がない人に保険を与える内容で、富裕層への増税で費用を賄うことにしていました。大部分のアメリカ人の医療保険は維持され、65歳以上の人はこれまで同様に政府が提供するメディケアが受けられます。後にオバマケアと呼ばれた法案で、大変不評でした。議論が白熱する中、私は国会議事堂前で数千人の反対デモを取材しました。デモ参加者のほとんどは既得権を失うと思う白人で、ワシントンの地元以外の出身者が多かった。法案は僅差で可決されましたが、私には怒りの爆発が謎でした。

 独立宣言の起草者で、「生命、自由および幸福の追求に対する権利」という言葉を残したトマス・ジェファーソン第3代大統領は奴隷所有者でした。奴隷解放、そして1960年代の民権運動の歴史は直線的ではなく、自由と平等が広がったり収縮したりの連続で、国全体の政治を左右する要素にもなります。

 トランプ氏の支持者と民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏の支持者に人種の差があることに注目する必要があります。トランプ氏の支持者の90%以上は白人です。世論調査によると、有権者の8分の1程度を占めるアフリカ系アメリカ人のほぼ全員がクリントン氏を支持し、ヒスパニック(中南米系)の8割と大部分のアジア系アメリカ人も支持しています。

 メキシコとの間に壁を造るというトランプ氏の主張が、移民によって社会的地位を脅かされると不安に思う白人の有権者には魅力的でした。

 クリントン氏が勝つ可能性は高いと思いますが、前例のない選挙戦において保証はありません。もしトランプ氏が勝利すれば、日米安保条約は、多額の駐留費を払わないと日本の防衛基盤がなくなりますよ、と脅された時の対策を考える必要があります。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の可能性はなくなるでしょう。英国の欧州連合(EU)離脱のように、株価の下落や金融不安が起これば、アメリカ経済はイギリスに比べて6倍の規模があり、その影響は比較になりません。日本は、もしもの場合に備えたほうがいいと思います。


毎日新聞グループと海外提携メディアとの歩み

1963年 日韓関係の進展に備え朝鮮日報社と提携

  95年 日韓国交正常化30周年を記念し、朝鮮日報社と「日韓国際環境賞」を創設

  97年 日韓共催の2002年サッカー・ワールドカップ(W杯)を控え、デジタル朝鮮日報社とマルチメディア面で業務提携

2008年 北京五輪報道で、中国青年報社と朝鮮日報社と協力

  09年 中国青年報社と日中企業家高峰フォーラムを創設

  11年 日・ベトナム経済発展のため、ベトナム・トイチェ新聞社と提携

  12年 ロシア新聞社と提携し、同社が発行する「ロシアNOW」を印刷、配布

  13年 インドネシア・コンパスグラメディア社と事業・イベント分野で提携

  14年 米ダウ・ジョーンズ社と提携し、同社の発行する米国の有力経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)を印刷、配布

      コンパス社と編集・デジタル分野を含む包括提携

  16年 WSJとデジタル分野で提携

      チャイナデイリー社と提携し、同社が発行する「チャイナウオッチ日本語版」を印刷、配布


 ■人物略歴

しらいし・たかし

 アジアの政治、政治経済、国際関係を専門とする。著書に「中国は東アジアをどう変えるか」(ハウ・カロライン・京大東南アジア研究センター教授と共著、中公新書)、「海洋アジアVS大陸アジア」(ミネルヴァ書房)など多数。


 ■人物略歴

すずき・だいち

 ソウル五輪100メートル背泳ぎ金メダリスト。順天堂大教授、日本水泳連盟会長などを歴任。


 ■人物略歴

ピーター・ランダース WSJ東京支局長

 1969年米ニューヨーク生まれ。エール大学卒(専攻・東アジア研究)。AP通信東京支局記者などを経てウォール・ストリート・ジャーナル入社。2014年2月から現職。TBS「新・情報7daysニュース・キャスター」のゲストコメンテーター。

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