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発掘、大橋巨泉さん早大時代の句集 いつも心に反戦俳句

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インタビューに答える大橋巨泉さん=千葉県大網白里町で2006年10月、馬場理沙撮影
インタビューに答える大橋巨泉さん=千葉県大網白里町で2006年10月、馬場理沙撮影

 この夏、テレビタレントの大橋巨泉さんが逝った。その巨泉さんが早稲田大学時代、俳句仲間と出した句集を入手した。そこには戦後71年間、貫いた反戦の思いがにじんでいた。【鈴木琢磨】

浴衣着て いくさの記憶 うするるか

 「これ、珍しいよ。巨泉の句が載っているんだ」。つい先日、東京都内の古本屋の主人が手渡してくれたのは早大俳句研究会編の2冊の句集だった。「稲城(とうじょう)」「苗代(なわしろ)」と題され、1953年とその翌年に出版されている。50ページほどの冊子だが、紙質はよく、製本もしっかりしている。主人は「3年くらい前に古書市で見つけてね。調べてみたら面白いよ。きっと」と言った。

 巨泉さんは東京・両国に生まれた。戦時中は千葉県に疎開し、恒例の行事は行軍だった。遠足ではなく、少年兵の服装で20キロ歩かされた。弁当はサツマイモ2本。<軍歌を歌いながらひたすら歩く。ボクが今軍歌を嫌うのは、空腹とか体罰とかロクな思い出を伴わないからである>(「ゲバゲバ人生」)。体に染み込んだ体験が抜けるはずもないが、敗戦で世の中の価値観が180度変わる。これからはペンの力で民主主義の社会を、と意…

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