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最後の労働者「玉三郎」逝く(その1) 山谷 心のふるさと

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1990年の山谷の夏祭りで舞踊ショーを終え、駆け寄ってきた労働者と握手をする玉ちゃん=フォトジャーナリストの大島俊一さん撮影
1990年の山谷の夏祭りで舞踊ショーを終え、駆け寄ってきた労働者と握手をする玉ちゃん=フォトジャーナリストの大島俊一さん撮影

 「よっ、玉ちゃん」

 火葬炉の扉が閉まり、威勢のいい掛け声が響いた。「玉、ありがとう」。集まった120人を超す仲間から拍手が湧き起こった。

 7月15日、東京都荒川区の斎場で通称・山谷玉三郎(さんやのたまさぶろう)さんが荼毘(だび)に付された。享年66。日雇い労働者が集まり、「寄せ場」と称された山谷(台東、荒川両区)で、1978年から簡易宿泊所(ドヤ)暮らしをしてきた玉ちゃんは、活気のあった往時を知る「最後の山谷労働者」とも呼ばれた。

 若い頃は建設現場で人一倍汗を流し、年1回の山谷夏祭りでは、得意の踊りを披露して喝采を浴びた。50歳を過ぎてからはドヤで生活保護を受けながら、C型肝炎やパーキンソン病などと闘ってきた。

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