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特集ワイド

純文学作家の「生きる糧」 芥川賞作家も副業は当たり前 「専業」はわずか1桁?

三省堂書店神保町本店の小説売り場。小説の売れ行きは落ちているが、昔と変わらず広いスペースを占めている。「文芸コーナーは書店の顔ですから」(本店次長)=東京都千代田区神田神保町で2016年8月24日、藤原章生撮影

 この夏、芥川賞作家のアルバイトが話題だ。発表のたびに華々しく報じられ、受賞作家はこれでプロの仲間入りと一瞬映るが、現実はそう簡単ではないらしい。純文学を書く職業作家はどうやって食べているのだろうか。その生きる糧は?【藤原章生】

 小説家のアルバイトが注目されたのは、この7月に芥川賞を受賞した村田沙耶香さん(37)がきっかけだ。村田さんは受賞作「コンビニ人間」の主人公と同様、大学時代から東京都内のコンビニでバイトをしている。「お金のためより、人見知りを克服したくて始め、就職活動も落ちて、そのまま続けています」。空気が読めず、人づき合いにやや難のある小説の主人公はコンビニで初めて「世界の部品になれた」と感動するが「あの感覚は私にもあります」と言う。「世代の違う男友達もでき、世界が広がり、すごくうれしかったんです。自動販売機的な立場の時もありますが、『髪切ったの?』って聞いてくれたり、ベビーカーで苦労しているお客様を助けると、『ありがとう』って言われたり。べたべたしない距離感が好きなんです」

 20代後半、小説だけに打ち込もうと、バイトをやめたこともあったが、逆に筆が進まなかった。「小さい頃から空想癖があって、家にいるとボーッとしてしまうんです」。両親について、善良な人たちが毎日ごはんをくれると思い込むような子どもだった。「私にとって小説は空想と逆の現実的な行為で、強制的にでも社会と触れ合う場がないと書けないんです。だからコンビニで働いている日が一番小説が進み、何もない日は英会話とか編…

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