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音楽の窓から世の中を眺めて

ジャーナリスト、江川紹子さんの音楽コラム。クラシックナビ連載。

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負の歴史を見つめ伝えること

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(C)Bayreuther Festspiele/Enrico Nawrath
(C)Bayreuther Festspiele/Enrico Nawrath

江川紹子

 8月の初めに、バイロイト音楽祭に行ってきた。

 私にとっての初日は、2日の「パルジファル」。いそいそと劇場に向かうと、なんと辺りは制服警察官がたくさん! フランスの相次ぐテロ事件もあり、今年は警備が厳しいという話は聞いていたけれど、ここでこんなにも多くの警察官を見るとは……。

 さらに驚くことに、その警察官たちが、そろいもそろって美男美女ばかりなのだ。おまけに対応は腰が低くて丁寧。ついついミーハー気分で、一緒に写真を撮ってしまったほどである。もしやドイツでは、警察官の採用基準に「容姿端麗」を入れているわけ?!  まさかね。海外からも多くのオペラファンが集まる催しなので、ドイツ中の警察官から、「これぞ!」というイケメン男女を集めたのだろうか……。

 その辺は今も謎なのだが、たまたま、ニュルンベルク在住歴30年以上という女性と幕あいにお話しする機会があったので、警察官のハンサムぶりを話題にしてみると、「私も同じことを思っていた」とのこと。そのうえで、「ドイツの警察官が、すべてハンサムで親切というわけではないですからね」と念押しされた。

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