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池澤夏樹・評 『戦争まで−歴史を決めた交渉と日本の失敗』=加藤陽子・著

 (朝日出版社・1836円)

いくつもの力の交錯がことを決める

 歴史とは過去に起こった事象の累積であると人は思いたがる。年表を覚えて、それで歴史はわかったとする。

 日本を戦争に導いた三つの契機を考えてみよう。

 A 満州事変に際して、リットン調査団の調停案が中国寄りだったので日本はこれを蹴り、国際連盟を脱した。

 B ドイツとイタリアが欧州で快進撃を遂げていたので、日本は「バスに乗り遅れるな」と言って、言わば勝ち組に入ろうと三国同盟を結成した。

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