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将棋

ビッグな新星誕生 藤井新四段

史上最年少でのプロ入りを決め、記者会見後に大きな将棋の駒を手に笑顔を見せる藤井聡太さん=東京都渋谷区の将棋会館で2016年9月3日午後6時3分、森田剛史撮影

 将棋界にビッグな新星が誕生した−−。3日の第59回奨励会三段リーグで13勝目を挙げ、史上最年少でプロ入りを決めた藤井聡太(そうた)・新四段(14)。5月に16年ぶりの20代名人誕生で沸いた将棋界だが、さらに大きなうねりを伴って世代間競争が加速しそうだ。

 将棋との出合いは5歳の夏。祖母の育子さん(74)と将棋で遊び、祖父の訓一さん(今年2月に死去)に初歩の手ほどきを受けた。その年の冬から地元(愛知県瀬戸市)の将棋教室に通い、めきめき上達。アマ初段の実力をつけた小学1年の3月に研修会に入会し、同4年の9月から奨励会での修業が始まった。

 小さい頃から棋風は居飛車の本格派。師匠の杉本昌隆七段(47)は「10年に1人の逸材。ありふれたアドバイスは必要なかった」と振り返る。現代将棋は、渡辺明竜王(32)に代表される、王様を堅く囲う戦い方が主流だが、藤井新四段は王の囲いが薄い将棋を得意とし、一手勝ちを読み切ってすれすれのところを切り込んでいく。「光速の寄せ」の異名を持つ谷川浩司九段(54)をほうふつとさせる終盤の強さが際立つ。棋士も参加する詰将棋解答選手権チャンピオン戦では2015、16年と2連覇を達成し、読みの速さ、正確さを発揮した。

 また、加藤一二三九段(76)のおはこの戦法で、他の棋士はあまり指さない対振り飛車の積極策である「棒銀」も得意とする。関西奨励会幹事の山崎隆之八段(35)は「若い子には珍しく、対局中でもミスをすると、膝をたたいて悔しがる。無意識に出るようだ」と、闘志むき出しの戦いぶりに感心する。

 将棋界は佐藤天彦新名人(28)の誕生で新時代を迎えた。前竜王の糸谷哲郎八段(27)や稲葉陽八段(28)ら20代棋士がタイトルを狙い、羽生善治王位(45)ら「羽生世代」の巻き返しも必至だ。

 羽生が七冠を達成したのは、藤井新四段が生まれる6年も前の1996年。

 藤井新四段は「(羽生の強さについて)全く実感がないので、憧れや目標という以前の人」と話し、「先入観にとらわれず、自分が最善と思う手を指したい」と、意欲満々でプロの世界に挑む。

 羽生は「歴史に名を残すような棋士になることを期待している」、谷川は「(自身が持つ21歳の)最年少名人の記録が破られるかも注目している」とエールを送り、渡辺は「三段リーグを1期で抜けたのは驚いた。対戦を楽しみにしている」とコメント。21世紀生まれの超大型ルーキーが、どこまで将棋界の歴史を塗り替えていくか、目が離せない。【新土居仁昌、山村英樹】

憧れの棋士は谷川九段

 藤井新四段の昇段会見には、地元名古屋のテレビ局も含め、約60人の取材陣が詰めかけた。藤井新四段は快挙の喜びを、はにかんだ表情を浮かべながら小さな声で答えた。

 リーグ戦最終日は最初の対局を負けたが、自力で昇段の芽が残ったことから、「気持ちを切り替えて実力を出し切ろうと思った」。最終局の相手は初の女性棋士を目指す西山朋佳三段(21)。先手の藤井新四段に、西山三段は「ゴキゲン中飛車」で対抗したが、中盤で優位に立った藤井新四段がそのまま押し切って勝利した。

 会見で「どんな棋士になりたいか」と問われると、しばらく考えて「昇段したばかりなので、これから考えたい」。過去4人の中学生棋士が活躍していることについては「偉大な方ばかりなので、並ぶことができるよう頑張りたい」と話した。

 また憧れの棋士には谷川浩司九段の名を挙げ、「ぼくも終盤が好きなので、そこを見てほしい」と自信ものぞかせた。【新土居仁昌、最上聡】

東海地区にタイトルを

 藤井聡太新四段の師匠、杉本昌隆七段の話 偉大な先輩方の記録を塗り替えての最年少四段は、師匠としてこの上ない喜び。精進を怠らず、将来、東海地区にタイトルを持ってくる棋士に成長することを期待している。

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