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余録

古代ギリシャ文明を衰亡させた「アテナイの疫病」は…

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 古代ギリシャ文明を衰亡させた「アテナイの疫病」は凄惨(せいさん)だった。「患者たちは神殿に助けを求めてつめかけ、神にすがったが、病苦に打ち負かされ、もうこのような場所に寄りつかなくなった」▲文明の様相を変えるほどの惨禍から以前はペストと思われたこの病だが、史書が伝える病状から今やペスト説は否定された。では何だったのか。発疹チフス、天然痘と並んで有力な候補に挙げられているのが麻疹−−はしかだという(立川(たつかわ)昭(しょう)二(じ)著「病気の社会史」)▲疫病のイメージから遠いはしかも、免疫のない土地では凶暴な様相を見せる。日本でも江戸時代には20〜30年おきに大流行をくり返し、その間に五代将軍・綱吉(つなよし)の命を奪い、幕末の文(ぶん)久(きゅう)年間には24万人もの死者を出したという記録まである。はしか、恐るべしである▲7〜8月に関西空港を利用した人などの間ではしか患者が急増し、先日、厚生労働省の専門家会議が注意を呼びかけたとのニュースを心に留めた方もおられよう。すでに今年は国内で60人を超えるはしか感染者が出ていて、これは昨年の感染者数を大きく超えている▲はしかといえばつい近年まで毎年何万人も感染し、軽い病気の代表のような言われ方をした。その日本もワクチン接種で昨年はついに土着のウイルスによる感染が確認されない「排除状態」と認定された。ところが一転、他国由来のウイルスによる感染者増加である▲インフルエンザよりずっと感染力が強く、免疫のない者は肺炎や脳炎などによる重症化が怖い。ここは「はしかは命(いのち)定(さだ)め」と恐れた江戸のご先祖の初心に帰ってウイルスの脅威を封じ込めたい。

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