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 今夏は旧盆を味わった。8月16日(旧暦の7月14日)は京都の五山送り火(大文字焼き)の日であった。私は行けなかったが、NHKBSの中継では、どしゃ降りの雨のなか五山に炎の文字がくっきりと浮かび上がり、荘厳だった。雨のもたらす雲霧の闇から、死者を送る本来の盆の行事の寂寞(せきばく)が伝わってきて、深く心に残った。

 昨年は、隅田川の花火が本来は死者の供養のためのものであったことを書いた。盆行事も花火も各地で観光化されるに従って、死者など頭の片隅にも浮かばないかのような騒がしいものになっている。江戸時代では、盆には死と向き合い、正月にはともに年齢を重ねて生を祝ったのである。正月は華やかで、盆はしめやかなのだ。戦後でも、私の家ではキュウリとナスと割り箸で死者の乗る牛馬を作り、玄関前で迎え火送り火をたいた。そのた…

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