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がん大国白書

第3部 AYA世代の試練/2 1日1食、貯金913円

 東京都内に住む団体職員、岸田徹さん(29)は、IT企業で働いていた2012年、25歳でがんと診断された。精子や卵子のもとの未成熟な細胞が悪性化した「胚細胞腫瘍」。10万人に1人程度と少ないため発見が遅れ、即、入院となった。

 入社して2年目。医療保険にも入っておらず、親の援助と自分の預貯金を取り崩して治療した。14年春、仕事に復帰したが、会社の配慮で営業職から内勤へ異動になり、有給休暇は休職中に使い果たして月1回の通院日は「欠勤扱い」となり、収入が減った。画像検査で通院すると1回4万円程度かかった。検査が近付くと、2週間前から1日1食の生活に切り替えて費用を捻出した。「健康的な食事をしなければと思ったが、お金がないというジレンマがあった」と振り返る。通帳に913円しかない時もあった。

 「休んだ分、会社に貢献したい」と必死で働いた結果、体調を崩して退職することに。その後、非常勤で働くが、収入は大幅に減った。岸田さんは「一度仕事を辞めると体力的な事情もあって非正規で働くケースが多く、収入も減る。蓄えもないが、検査や治療費でお金はかかる。僕のような1日1食生活は、大げさかもしれないが(10代半ば〜30代の)AYA世代(※)患者のリアルだと思う」と話す。

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