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余録

公園で2対2のバスケットの勝負が…

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 公園で2対2のバスケットの勝負が始まった。ある健常者の若者が車いすの相棒とチームを組み、健常者のコンビと対戦する。相棒が素早く敵のディフェンスをかわし、鮮やかにシュートを決める▲障害者だから手加減してやろうと思ったのに。相手はそんな負け惜しみを言う。若者が言い返す。相棒が乗る車いすはマシン、つまり機械だが、彼にとって脚そのものだと。「マシン脚を持ってねえからってひがむなよ」。かつて「SLAM DUNK」(スラムダンク)でバスケット人気を日本中に広めた漫画家、井上雄彦(いのうえたけひこ)さんの「リアル」の一場面だ▲「リアル」はそれぞれの苦難を抱えつつ車いすバスケットに情熱を燃やす若者の群像劇。リオ・パラリンピックでもバスケットを含め、競技用車いすを使う日本代表が活躍している▲選手たちを支えるメーカーがある。千葉市の「オーエックスエンジニアリング」もその一つだ。元はバイク販売会社。創業者の石井重行(いしいしげゆき)さんはバイクの試験走行中に転倒し下半身不随になった。自分が車いすを使うようになり、一念発起して車いすメーカーに転身した▲だが資金繰りが悪化し、社員の給与も遅れがちになる。それでも諦めず改良を重ねた。選手が活躍し始めると注文が増えていく。必要とされる時代が来たのだ。石井さんは人生をかけた勝負に勝った▲障害者をことさら感動的に取り上げるメディアの手法が議論を呼んでいる。パラリンピックはどうか。そこにお仕着せの感動などない。トップアスリートが限界まで努力を重ね、ひたすら頂点を目指す。彼らもまた人生をかけたリアルな勝負の世界にいる。

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