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論の周辺

近代日本の「知の造形者」

 生前は大きな存在感をもっていたのに、死後、時間の経過とともに忘れ去られてしまう人々は数多く存在するに違いない。特に、学術や思想に関わる人物の場合、著作が本の形でまとめられたかどうかが、歴史上の名前の重さを左右するようだ。

 初代の帝国大学(現東大)総長を務め、明治の政官界で活躍した渡邉洪基(ひろもと)(1848〜1901年)もまた、一冊の書物も残さなかったために、今ではほとんど顧みられなくなっている一人だろう。その評伝『渡邉洪基』(ミネルヴァ書房)を、瀧井一博・国際日本文化研究センター教授が刊行した。渡邉が各種の雑誌に寄せた文章や、東大文書館に残された1次史料を駆使した労作である。

 明治維新の際、幕府医学所に勤めていた渡邉は新政府の「賊徒」から身を起こし、外務省に入った。オーストリア公使館勤務となりウィーンへ派遣された時、日本の外交官として初めて妻を伴って赴任するなど先進性もあった。

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