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オシリス・レックス

小さな天体に行くことに意味がある=はや2科学分析チームの橘省吾・北大准教授が寄稿

オシリス・レックスの打ち上げ2時間前、米フロリダ州のケネディ宇宙センターで試料採取・分析責任者のハロルド・コノリー・ジュニア博士(ローワン大学教授)と筆者=2016年9月8日、橘省吾・北海道大准教授提供

「米国版はやぶさ」とも呼ばれる米航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機オシリス・レックスが、9日午前(日本時間)に宇宙へ旅立った。世界で初めて小惑星の物質を持ち帰った日本の探査機「はやぶさ」に続くプロジェクトの一つだ。打ち上げ場所の米フロリダ州のケネディ宇宙センターには、はやぶさの後継機「はやぶさ2」のプロジェクトに参加する研究者、技術者たちも集まり、打ち上げを見守った。なぜ、はやぶさ2のメンバーが駆けつけることになったのか。現地を訪れたはやぶさ2の科学分析チームの一員で、はやぶさ2やオシリス・レックスが持ち帰る試料の分析に当たる橘省吾・北海道大准教授(自然史科学)の寄稿が毎日新聞に届いた。橘さんは8月、小惑星の物質や隕石(いんせき)などを分析する意義についてまとめた著書「星くずたちの記憶−銀河から太陽系への物語」(岩波科学ライブラリー・1296円)を出版している。

 9月8日午後7時5分、米フロリダ州のNASAケネディ宇宙センターからアトラス5ロケットがごう音とまばゆい光とともにゆったりと空へと持ち上がり、同時に大きな歓声が沸き上がる。1分後にはロケットを肉眼で見ることは、もう難しくなり、音と光の余韻が煙として空に残った。小惑星サンプルリターン(試料採取し地球へ持ち帰る)探査機オシリス・レックス(注1)の小惑星ベンヌへの旅が始まった。ロケットが空へと消えていく間に、喜びと同時に身の引き締まる思いがやってくるのは、2014年12月の日本の小惑星サンプルリターン探査機「はやぶさ2」の打ち上げを見守ったときと同じだった。

 直径500メートル程度の小さな天体をめざすオシリス・レックスの旅は、太陽系の起源と進化を探るための新たな旅だ。地球と太陽の距離は約1億5000万キロメートル。昨年、米国の探査機ニューホライズンズが訪れた冥王星は、太陽までの間の距離を45億キロメートルから75億キロメートルの間で変化させながら公転している。太陽系は冥王星を越え、さらにその先まで広がっている。はるかに大きな太陽系の起源や進化を知るた…

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