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続報真相 スンドゥブで始まった、北朝鮮の核開発

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SLBMの試射を視察する金正恩朝鮮労働党委員長。朝鮮中央通信が「先軍節」の8月25日に報じた。下の絵の祖父、父と同じ白シャツ姿だ=朝鮮中央通信・朝鮮通信
SLBMの試射を視察する金正恩朝鮮労働党委員長。朝鮮中央通信が「先軍節」の8月25日に報じた。下の絵の祖父、父と同じ白シャツ姿だ=朝鮮中央通信・朝鮮通信

 もはや金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は聞く耳など持っていないのだろう。北朝鮮が9日、5度目の核実験を強行した。弾道ミサイルに搭載できる核弾頭の爆発実験に「成功」したというのだ。なぜ、核・ミサイルにこだわるのか? 知られざる開発秘話がここにある。【鈴木琢磨】

金日成主席自ら科学者を好物でもてなし、説得…

 1960年といえば、日本で安保闘争が空前の高揚を見せた時代である。東京・永田町の国会周辺は、日米安保条約改定の阻止、岸信介首相の退陣を求め、連日、デモ隊であふれていた。ちょうどその頃、隣国、北朝鮮の平壌(ピョンヤン)でもひそかに大きな「決断」がなされようとしていた−−。

 6月のある日、金日成(キムイルソン)主席は国家科学院自然科学分院長の金サンイク博士を昼食に誘った。純朝鮮式家屋の宿舎の食堂、卓上には熱々のスンドゥブ(おぼろ豆腐入りの辛い鍋)が並んでいた。スンドゥブは金博士の大好物で、金主席自らが大豆をすり、もてなそうとしたものだった。金博士は数学が専門だったが、留学先の大学で核物理学を学んだ。ただ、朝鮮王朝時代から続く学者の家系で、政治とは常に一線を画してきた…

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