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余録

木の繊維などによる紙を発明したのは…

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 木の繊維などによる紙を発明したのは中国の蔡倫(さいりん)とされるが、自然界ではずっと古くから紙を作ってきた生物がいる。それはスズメバチという。あの丸い大きな巣、実は「紙」でできているのだ▲ミツバチの巣はロウでできているが、スズメバチの巣は髪の毛ほどの木の繊維からできている。18世紀フランスの昆虫学者レオミュールがそれを観察して紙になると思いつき、その何十年後かには実際にハチの巣から紙が作り出された(「世界大博物図鑑」平凡社)▲ハチの巣にも手を出すくらいだから、19世紀に木材パルプが発明される前のヨーロッパではよほど紙の材料に困っていたようである。そう聞けばあのスズメバチの巣もみごとな紙工芸のオブジェのように思えてくる。しかし実際に見つけたら鑑賞するのは厳禁である▲橋の下にその巣がある写真を先日のニュースで見た方も多かろう。岐阜県内の地域マラソンで115人もがスズメバチに刺されたのは、橋を渡るランナーの振動が巣に伝わってハチが一斉攻撃したからだった。きのうも東京で校外学習の小学生ら10人が襲われている▲というのもこの季節は巣が巨大化し、スズメバチがちょっとの刺激でも攻撃してくる時期という。刺されれば体質によってショック症状を起こして亡くなる人が年間数十人になるから、危険を軽視することはできない。巣を見たらすぐ遠ざかるというのが正解である▲都市にも適応して意外な場所に巣を作るスズメバチで、車のボンネットの裏で見つかった例もある。木材パルプによる紙作りのアイデアをくれた恩義はあるが、やはり市街地での同居は遠慮したい。

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